椎葉山仙人

数日来の雨が上がった今日は久しぶりに桑の木原峠を越えました。
桑の木原峠は、耳川源流と一つ瀬川源流の分水嶺にあたり、標高1000メートルを超える峰々の間を縫うように林道を走ります。
峠ではすでに紅葉がはじまっていました。

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このあたり一帯は九州大学の宮崎演習林で、3000ヘクタールに及んで広がっており、昔から斧を入れたことのない原生林がひろく残されています。

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ブナの木、樅、栂、ナラ、サルスベリ等々、名前も分からない樹木が鬱蒼と繁っており、以前には熊の足跡を見たという猟師もいたくらいの深山です。

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ところが最近、この森林にも異変が起こっています。
高山特有のスズ竹の枯滅が広がっております。
これらのスズタケや下層木で覆われて地肌が保護されてこそ巨樹も育っていくのですが、最近では、裸にされて地肌がむき出しになったせいか、ブナの巨木が枯れていく現象も出ているとか・・・
原因は最近増殖している鹿の被害ではないかといわれています。

不土野峠の鹿の群
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(鹿牧場ではありません。自然の山で増えている鹿の群です。)

が、それだけではない環境の変化があるのではないでしょうか?。

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山ひだに毛細血管のように入り込んでいる渓流では、落葉を浮かべて流れる清流でヤマメが「背すり」(産卵)をはじめていました。
人影があったらサッと岩陰にかくれる警戒心の強いヤマメですが、産卵期には人影もおそれずに懸命に種の保存に励んでいます。
この時季に昔はよくモリで突いて捕ったものでした。
そんな時季だから今は10月1日から禁漁期になっています。

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この一帯を散策する人たちを案内するために「大河内森林ガイドの会」というボランティアグループがあります。
会長は椎葉孝一さんです。
電話 0983−38−1006です。
散策を希望される方は、お問い合わせすれば詳しく説明してくれると思います。

自然との共棲、生態系のバランスを保つということは大変なことだなー・・・
と思いながら峠を下っていきました。

秋雨前線の停滞でここ数日は雨。
なすこともなく今日はドブロクを引っさげて飲み友達のHさんのお宅を訪問です。
と・・ 玄関に入るとなんともいえない高尚な香りにつつまれました。
見回してみると・・  ランです。

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あの彼にこんな趣味があったのか?
その性格を熟知しているだけに、現実を認めるまでには時間がかかりました。

  白 麗
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12個の花をつけて・・ これが芳香の源でした。
ランには趣味のない山仙人も、その花と香りに魅せられて、しばらくは陶酔でした。

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  豊 雪
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まっ白な茎が真直ぐ伸びて・・・  開花が待ち遠しいです。
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一文字ひむか
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この他にも、紅の王様といわれる「日向のほまれ」や「華神」、
「丸姫」、「青サラ」などなど・・・
訳のわからない専門用語を並べての説明です。
アルコールのメートルと一緒に自慢話もエスカレートして・・・・

話半分に聞いてもかなりの実績です。

Hさんの家は標高800メートルの高地・ 初日の出は庭から拝めるという天空の世界、絶景です。
が、冬の寒さは戸外においたビールが凍るほどで、下界の者には想像もつきません。
そんな所だから凍害などに対する気配りなど大変だろうなー
と・・・  そばで話を聞きながらうなづいている奥さん、○○みさんの内助の功が大きいようでした。
逆境に耐えて咲く花ほど綺麗なのかもしれませんね。

Hさんは趣味で蒐集しているだけで売買をするような性格の人物ではありません。

が、椎葉には多くのマニアがいて、平家祭りなどのイベント時には椎葉の山で採れた幼苗などの展示即売コーナーも出るようです。
椎葉の山中には、まだまだ発見されていない「かくれたラン」があるとか・・・
伝説めいた逸話もあります。
平家祭り見物かたがた、椎葉山の秘ラン探索に訪問してみては如何ですか?
ラン愛好者の皆さん。

09年平家祭り 武者行列
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 現職を引退してから, 「なにかしなくては・・・」 と、20年の秋に始めたのがシイタケ栽培でした。
といっても家庭菜園程度の仕込みです。
それが今年ようやく発生しました。
時季が早いせいもあって足長のようですが、てしおにかけた・・・といっては大げさだけど、やはり自分の手で仕込んだ結果がこんな形で現れるとうれしいです。
生シイタケで近所に配ったり、乾燥シイタケにしたりで大忙しでした。


そんな仕事の合間に、例の秘密の展望台にデジカメを持って出かけました。

先の実りの風景は一変して掛け干し風景です。

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掛け干ししてから半月あまりで脱穀の仕事が待っています。
そんな中で忙中閑のひとときです。

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心なしか紅葉も始まっているかに見えました。

各種体育大会も無事終了。
孫もリハーサルが功を奏して大ハッスルでした。。
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稲刈りも済んだかと思ったらもう次の仕事が待っていました。
茶園の剪定です。
妻が無農薬栽培をやかましく言って除草剤も散布させないので雑草が繁茂して一苦労です。
「そこまでこだわらなくても・・・」と言ってはみたものの、毎年予約注文をしてくれる人たちから「○○さんのお茶なら安心」という言葉を聴くと やはり無農薬で・・・とがんばっています。
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ようやく仕事を終えた畑を見回すと達成した充実感と疲労がどっと出て茶園に座り込んでしまいました。
と・・茶の木の下に白いものが・・・
茶の花です。派手に木の上に咲くのではなく下枝にひっそりと咲いています。
茶の花ってこんなにきれいだったかなー。
初めて見たわけではないけれど、仕事を終えた開放感の心でみると新鮮に見えるのかも・・・

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花言葉は何というのだろう・・・
山千人に名づけさせるなら「清楚で可憐」
そんな花です。
だれかこの花の花言葉を教えてください。

明日はしいたけが採りごろになりそうです。


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里全体をつつみこんだかのようなキンモクセイの香りに鼻腔をくすぐられながら、今日から稲刈りです。

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2歳になった孫がバインダーの廻るのにつけてついてまわります。
この分だといい アトトリ になるかも・・・
(期待するのはまだ早いか・・・)

今年は台風の襲来もなく、ほどよく天候にも恵まれて作柄は上の上。
 
豊作に  鳥追う妻の  おらび声






刈り取りが終ると早速 棚田の風景は整然としたさお架け風景に変わります。
大型コンバインで刈りとり、人工乾燥に入れて、翌日には食卓にのるような近代農業とはちがって、 半月あまりの間、架け干ししてから脱穀・精米と・・・
食卓にのるまでにはまだまだ多くの時間と手間がかかります。
天候に一喜一憂しながら、その空間を乗り越えたとき、ようやく「松尾の棚田の米はおいしい・・・」といわれます。
その言葉が外交辞令とは分かっていても、ついつい土産に贈る升目が多めになります。
(でも、今年から7人家族、そうそう思惑どおりには贈れない台所事情も・・・・)
そんなお米づくりをめざして、いま一意気・・ とがんばっています。

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小さな「がまだし手」も、そろそろ電池切れのようです。

掛け干しの  棚田を照らす  夕日かな  (愚作)

朝夕の風がひんやりしてきました。

昨年 今年と松尾中学校の体育大会に参加して生徒達と一緒に神楽を舞ったりして地域の人たちとコミュニケーション旺盛なジョン先生、
イギリスから椎葉の小中学校に英語教師として赴任してきてから3年になるとか・・・舞いっぷりもどうに入ったものです。
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今日はひょんなところで見かけました。
S集落の稲刈りのボランテイアです。
巨体に物をいわせて頑張っていました。
休憩時間に話してみると屈託のない外国人らしいユーモアのある好青年でした。
東京に居る彼女と遠距離恋愛中とか・・
ケイタイで写真を見せてくれました。
椎葉の人・物・人情などなど、沢山のお土産を持って帰ってほしいですね。
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紅葉のハシリか?
十根川渓谷にちらほら紅葉が目に付くようになりました。
が・・・あいにくの霧雨、明日の各小学校の運動会が気になる天気です。
10月2日
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       朝霧より
         なお白きかな
            ソバの花
山仙人、ちょっとしたハプニングです。
大腸検査の結果、ポリープが発見されて、9月27日から入院して切除手術を受けました。
切除して経過は順調です。
が、4日間の病床生活をどう退屈せずに過ごせるか・・・
そのことを考えて事前にパソコンを持ち込みました。
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病院の窓から見た朝日の出がきれいでした。

そこで退屈しのぎに開いたのがメールです。
パソコンを買い換えたのが2005年4月、
それからこっちの着信メールと送信済みメールを全部読み返して見ました。
けっこうメル友も多くなっていて・・・

現役時代の仕事仲間からのもの・・、
引退のときの激励や労をねぎらう言葉やら・・・、
四季折々にだしている絵ハガキの批評などなど・・・
昨年まで北海道を旅したと、楽しそうに夫婦ショットで写真まで添付してきたのに・・帰らぬ人になってしまった人・・・
読み返しながら、ニンマリ ニヤニヤしたり、ジーンときたり・・・
懐かしい思い出を走馬灯のようにベッドの中で回顧したところでした。

少し感傷的になったのは病院の中だからでしょうかねー。

そこでメールの大切さを再認識して、ご無沙汰していたメールをみんなに出しました。
何といってもメールは1対1で忌憚なく書けるところがいいですよね。
これからも機会を見てつないでいきたいと感じたところでした。

ブログにはまたブログのいいところがあるし・・・

以前から出していた絵はがきも、ブログやメールに縁のない人たちとの交流として大切だし・・・
欲張りすぎですかねー。

退院して帰ったら浦島太郎が竜宮城から帰ったときのような驚きです。(僅か4日なのに大げさな?)
近隣の家の稲はほとんど刈り取られて掛け干ししてあり、残っているのは我家だけ・・・
やはりまだまだ仕事の面では山仙人が主役だなーと「まだまだおれが・・・」を連発です。

そして 冒頭のそばの花、ちょっと見ない間に満開です。



プロフィール

  • 民俗学者柳田国男が椎葉を訪問したとき最初に足を踏み入れた大イチョウの里松尾が私の地区です ボケ防止にとパソコンをはじめてようやくブログまでたどり着きました。これから椎葉の四季を紹介していきますのでよろしく・・・

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