先人の知恵袋
■ 先人の知恵袋Vol.9 竹の皮編
今回は、『竹の皮』についての先人の知恵をご紹介します!
竹の成長と共に脱皮するように一皮一皮剥がれていく竹の皮。
時代劇に登場する竹の皮に包まれたおにぎり・・・。皆さんもご覧になられたことがあるでしょう。アルミやラップよりも手間がかかりますが、その分美味しさは格別なようです。
保存に適しているのは竹の皮が抗菌・防腐能力に優れ食品を守る力を備えているからです。竹の皮には、フラボノイド色素と高級脂肪酸が含まれており、これは両方とも抗菌性に優れており食品の腐敗を防ぐ効果があります。
表面に蝋状の皮膜を持ちながら水分を吸い取ったり、水分を放出する力を持っており、竹の皮で包んだおにぎりがアルミやラップで包んだものより長持ちするのは、この力も要因の一つだと言えます。
昔の人が竹の皮におにぎりや食品を包んで持っていたのは、このような竹の効能を生活する上でよく知っていたからでしょう。
他にも竹の皮にはこんな使い方もあります。小豆を茹でるとき、まずは水から茹でますが、沸騰したら一度ざるにあげて水洗いをし、あくを抜きます。そのあと、また水から茹で、湯が沸いたらコップ1杯の水を入れます。これを、びっくり水といいます。そして竹の皮を一緒に入れて弱火でゆっくり煮ていくと、竹の皮が豆の皮を柔らかくしてくれ、煮崩れすることなく色も良く煮ることができます。
梅雨のジメジメした時期、梅雨明けすれば暑い夏、お弁当やちょっとしたお出かけに使ってみてはいかがでしょう!
11/06/09
■ 先人の知恵Vol.8 梅雨編
梅雨に入り、毎日静かに雨が降り続いています。この前まで、水不足を心配していたのに、雨が続くと洗濯物が乾かない。ジメジメして気持ちが悪い・・・。早く、お天気の良い日が来ないかなぁ・・・。なんて思ってしまいます。
梅雨時は、カビに悩ませる季節でもあります。カビは放っておくと、喘息などのアレルギー、感染症などの病気、食品の腐敗などの原因にもなりますので、家の中の湿気をできるだけ少なくして、カビの発生を抑えるようにしたいものです。
では、今回は湿気をためないようにする先人の知恵をご紹介しましょう。
まずは、玄関周り。
⇒靴は雨だけでなく、汗などで常に湿った状態になっています。できれば毎日同じ靴を履かずに数足を交代で履くようにし、湿気を逃がすようにしましょう。つま先に新聞紙を詰めておくとより一層効果的です。下駄箱には、新聞紙を多めに重ねて敷いておくと泥よけと湿気取りで一石二鳥です。
次は、キッチンマット・バスマット
⇒キッチンマットやバスマットは置いてある場所が場所だけに、すぐに湿って気持ち悪いですね。そこで、予めマットの下に古新聞を敷いておきましょう。人の重みで新聞が水分を吸収。頻繁に新聞を交換すれば、マットはいつも爽やかです。
そして最後に、これは去年、向山日添地区の焼畑で有名な椎葉邦子さんから教えていただいた生活の知恵ですが・・・。おばあちゃんの部屋には、アジサイが吊してあるそうです。これはなぜかというと、アジサイには湿気を吸い取る働きがあるからなのだそうです。何となく気持ちまで暗くなりがちな梅雨時期・・・。ふと視線を上げると、部屋の角に楚々としたアジサイが飾ってある。それは、部屋のインテリアだけでなく、さりげない除湿剤としての働きもある。
なんて素敵な知恵なんでしょう。是非、皆さまもお試しください。
11/06/09
■ 先人の知恵袋Vol.7 はかり編
毎月19日は『食育の日』です。そこで今回は、食事作りに役立つ先人の知恵をご紹介しましょう!
『目ばかり・手ばかり』という言葉を聞いたことがありますか?これは料理の時に、さじやカップを使わずに、自分の目や手を使って、大体の量を計る便利な方法です。買い物をする時、皿に盛りつける時、また、栄養を考える場合にも役立ちます。
まず、料理に欠かせない塩を計る時にはこのようにします。
親指と人差し指で塩を掴むと、大体小さじ8分の1の量。これが塩少々の分量で、卵焼き1個分の塩の量です。これに、中指を加えた指3本で掴むと小さじ4分の1。これは、おすまし1人分の塩の量です。片手でざっと塩を掴んで小指と薬指を開いて残った量は大さじ1杯分。片手で塩を一握りすると大さじ2杯分で、1キロの漬け物の塩の量となります。また、親指と人差し指で○を作った大きさのみそは15グラム、みそ汁1杯分です。
小指の幅は約1センチで、さいの目切り、親指の長さは約5センチで、野菜などを切りそろえる時の目安にします。
他にもおたま1杯分は大体100cc、片手の掌いっぱいに乗る薄切り肉は約100g。中3本の指に乗る手と同じくらいの厚さの肉や魚は約80g。両手山盛りの野菜は約200gで、片手いっぱいだと100g、この量を一人前とみなします。
Mサイズの卵の大きさは、約60gと見積もります。
手を使って計るので、はかりを使うようには正確ではありませんが、料理をするときのおおよその目安になります。昔の人はこのように、自分の手や目を使って、手早く料理をしたのです。そして、この知恵は、現在も受け継がれています。
11/06/09
■ 先人の知恵Vol.6 雨の日のお掃除編
なかなかまとまった雨が降らず、田植えや畑の野菜、飲み水などの心配をしていましたが、このしばらく雨が降り、一安心といったところではないでしょうか?
しかし、人間とは勝手な生き物・・・。雨が降らないと降って欲しい・・・。雨が続くと洗濯物が乾かない・・・。ジメジメして気持ち悪い・・・。早く晴れてくれないかなぁ〜。なんて思ってしまします。
ということで今回は、雨の日に使える先人の知恵をご紹介しましょう!
日常のお掃除の中で、意外と重労働なのが窓拭き!!!これは、曇りの日、雨が上がった翌日や早朝など、湿気の多いときにするのがいいそうです。空気中の湿気のお陰で、汚れが落ちやすく、作業が楽になります。反対にカラッと晴れた日に窓拭きをすると汚れが落ちにくいだけではなく、光が反射して汚れが見えにくくなるそうです。
また、網戸のお掃除は雨の日に!雨の降る日に網戸を外してベランダなどに立てかけておき、雨に洗ってもらいます。突然の風に吹き飛ばされないよう、固定することを忘れずに。楽に、驚くほどきれいに汚れが落ちるそうです。
もうひとつ。障子の張り替えも雨の日がいいそうです。湿気がある時に張り替えると、障子紙が乾いたときに、ピンッとなるそうです。
お掃除というと、カラッと晴れた日に窓を全開にしてするのが気持ちよさそうですが、雨が降った日にこそできる簡単な方法もあるのですね。
11/06/09
■ 先人の知恵Vol.5 こどもの日編
とっくに過ぎてしまいましたが、今回は端午の節句に関する先人の知恵をご紹介しましょう!
5月5日の端午の節句は、もともと厄除け・魔除けの行事が行われる日でした。現在のように、男の子の節句になったのは、江戸時代以降のこと。5月5日がこどもの日に制定されたのは、1948年です。
この日、こいのぼりや兜を飾ったり、柏餅やちまきを食べたりという風習が各地区で残っていますが、その中でも菖蒲湯に入ったり、軒下によもぎや菖蒲をさす風習が残っている所もあります。
これは、先人の知恵で、菖蒲をお湯に入れると、体を温め、血行促進の効果があるからです。漢方では、昔から菖蒲を鎮痛・健胃・打ち身などの治療薬として用いていました。
また、菖蒲を軒下にさす風習には次のような昔話が残っています。
【狩人が山奥で鬼に遭遇し、慌ててよもぎの林に身を隠すと、それを見た鬼は、狩人が火の中に飛び込んだと思い、よもぎの林に近づけませんでした。そこから逃げ出した狩人は、次に菖蒲の沼に入ると、鬼は、狩人が剣の林に飛び込んだと勘違いし、ついに狩人を捕まえることができませんでした。
狩人は村に帰ると軒先に菖蒲かよもぎをさすように村人に呼びかけました。】
今でも、地方によっては、軒下に菖蒲をさす風習が残っています。
先人の知恵とは本当に不思議なものです。昔は科学的に調べることもできなかったのに、生活の中で自然と身体に良い悪いを見分け、使ってきたのですね。
11/06/09