先人の知恵袋
■ 先人の知恵袋 『男女共同参画週間』特別Ver.その3
6月23日から29日までの1週間は、『男女共同参画週間』です。そこで、やまびこ通信でも男女共同参画週間に関する特集をお送りしております。
平成23年度のテーマは、『チャンスを分かち、未来を拓こう』です。今日は、【ワーク・ライフ・バランス】仕事と家庭への男女の関わりについてお話ししましょう。
男女が共に社会に参画し、また一人ひとりが生き生きと自分らしい生き方を実現していくためには、仕事と家事・育児・地域活動などを、性別にとらわれず柔軟に分担し、協力し合うことが大切です。しかしながら、家事・育児など家庭での仕事の多くは、女性が担っているのが現状です。
時代の移り変わりと共に変化するライフスタイルの中、女性はいつも、仕事と家事・育児・介護などの生活との両立に悩んできました。
仕事は、暮らしを支え生きがいや喜びをもたらすものですが、同時に、家事・育児・近隣との付き合いなどの生活も暮らしに欠かすことのできないものであり、その充実があってこそ、人生の生きがい・喜びは倍増します。しかしながら、現実は、安定した仕事に就けず、経済的に自立することができない、仕事に追われ心身の疲労から健康を害しかねない、仕事と子育てや老親の介護との両立に悩むなど、仕事と生活の間で問題を抱える人が多く見られます。これらが、社会の活力の低下や少子化、更に人口減少という現象にまで繋がっているといえます。それを解決する取り組みが、仕事と生活の調和【ワーク・ライフ・バランス】の実現です。みなさんも、自らの仕事と生活の調和のあり方を考えてみませんか?
では、仕事と家庭生活の両立に必要なこととは何でしょう。男女共に、仕事や育児を家庭で協力して担うことが必要です。また、家事や育児を行うことについて、もっと評価することが大切となります。
最後にみやざき中央新聞に掲載された、助産師 【内田 美智子】 さんのお話をお送りします。
『目が覚めたら生きていた。朝起きたらもうご飯ができていた。窓を開けたら美味しい空気があった。毎日ご飯が食べられる。美味しい物を食べて美味しいと感じる。結婚して子どもが生まれた。子どもがすくすく育っている・・・。「こんなこと、当たり前だと思ったら大間違いです。世の中に当たり前のことはたった一つ。それは、生まれてきた全ての命には必ず終わりがあるということ。それだけが当たり前のことで、それ以外の事は全て奇跡なんですよ。」
30年以上もお産の現場にいる。そこは「おめでた」ばかりではなかった。妊娠が分かってから女性は、約10ヶ月の月日を経ながら少しずつ「母になる」という決意をしていく。それは自分の命を賭けて生むという決意だ。わずか50年前、約2,000人の母親がお産の時に命を落としていた。一昨年でも35人の母親が自らの命と引き換えに子どもを産んだ。
父親・母親世代に内田さんは、「子育ては、時間が取られるなんて思わないで。育てられるだけでも幸せなこと」と語る。』
仕事と家庭の両立。それは、男性にとっても女性にとっても大変なことです。もちろん、これは外で働いている人だけに当てはまるものではありません。
家族の一人ひとりがそれぞれに得意なこと、できることは何か考えてみませんか?
そして、家族やパートナーとお互いの意見を交わしてみてはいかがでしょう。
ワーク・ライフ・バランスが実現することで、夫・父である男性の将来が、妻・母である女性の生き方が、子ども達の可能性が、家族のあり方が大きく変わっていくはず。そして、社会全体ももっと豊かに成長していくはずです。
11/06/25
■ 先人の知恵袋 『男女共同参画週間』特別Ver.その2
6月23日から29日までの1週間は、『男女共同参画週間』です。そこで、やまびこ通信でも昨日から男女共同参画週間に関する特集をお送りしております。
平成23年度のテーマは『チャンスを分かち、未来を拓こう』です。今日は、DV・・・つまり「配偶者からの暴力」についてお話しします。
『ドメスティック・バイオレンス』いわゆる【DV】・・・。なんとも嫌な言葉ですね。ドメスティック・バイオレンスが何を意味するかについて明確な定義はありませんが、一般的には、『配偶者や恋人など親密な関係にある、またはあった者から振るわれる暴力』という意味で使われます。
内閣府では、区別をつけるために『配偶者からの暴力』という言葉を使っていますが、この配偶者は、女性に限られず男性が被害者となる場合もあります。また、婚姻の届けを出していない、いわゆる『事実婚』も含まれています。
相手と一緒にいると、怖いと感じたり緊張したりはしていませんか?
暴力には、身体に対する暴力のみならず、それに準ずる心身的に有害な影響を及ぼす言動も含まれます。
殴る・物を投げつける・大声で怒鳴る・無視し続ける・生活費を渡さない・交友関係を制限する・勝手に相手の電話、メールをチェックする・性的行為を強要する・避妊に協力しない・・・。など様々なものがあります。
家庭の中で起こる配偶者からの暴力・・・。夫婦という関係の間の暴力なので、表に出にくい傾向があります。そして、被害者の多くは、女性です。また、被害にあった女性の半数近くは、誰にも相談していないという結果も出ています。
では、どうして誰にも相談できずにいるのでしょう。相談しない理由としては、『世間体が悪いから』『相手の反応が怖かった』などが多く挙げられています。また、被害を受けた後、別れたいと思っているのにも関わらず別れられない理由として『経済的な不安』が4割強の女性が挙げています。
女性の多くは結婚後、出産・育児などを理由に一度仕事を辞める傾向があります。育児が一段落して再就職をしても、パートなど子供を育てながら、なおかつ一人立ちをすることが難しい経済状況の女性が多いのが現実です。
また、暴力の原因としては、夫が妻に暴力を振るうのはある程度仕方がないといった昔からの社会通念、妻に収入がな場合に場合が多いといった男女の経済的格差など、個人の問題としては片付けられないような構造的問題も大きく関係しています。
これまでは、女性が被害者・・・。というお話をしてきましたが、特集の冒頭にもあったように、配偶者からの暴力は、被害者が男性の場合もあります。近年、女性から男性への暴力が増えていることも現実です。
男性への配偶者からの暴力は、ある意味女性以上に世の中に報道されにくく、また、救いを求めての相談もしにくいものになっています。
女性から男性への暴力の中身は、身心的なもののほかに、「怒鳴る」「脅す」など、精神的なものが多く、収入に関することが暴力の原因として、目立つのも特徴です。
また、力ではかなわない女性が、日常生活に関することでじわじわと痛めつける傾向があるのも、家事や家計を握っている女性ならではの『配偶者への暴力』といえるかもしれません。
自分より弱いものを攻撃することで、自分の地位を相対的に高めようとする心理、これまでの環境、今後の世の中への不安・・・。様々な原因が渦巻き、それが発散させるこのように繰り返される配偶者への暴力。
しかし、いかなる理由があろうとも、体や心を傷つける暴力は、人権を侵害するものであり、許されるものではありません。男女が社会の対等なパートナーとして、様々な分野で活躍するためには、その前提として、配偶者に対する暴力は絶対にあってはならないことなのです。
ところが残念ながら、夫婦や恋人の間でも暴力行為は行われ、被害に遭っている人たちが少なくないのが実状です。
暴力は次第にエスカレートして、被害が深刻になることがあります。相手との関係を「つらい」「なにかおかしい」と感じていたら、一度相談してみてください。
椎葉村においては、役場総務課 男女共同参画担当、または人権担当、もしくは福祉保健課までお願いします。
一人で悩まないでください。相談してみることで、一人では気づかなかった解決方法がきっと見つかるはずです。
11/06/24
■ 先人の知恵袋 『男女共同参画週間』特別ver.その1
本日6月23日から29日までの1週間は。『男女共同参画週間』です。そこで、やまびこ通信でも、本日から1週間、男女共同参画週間に関する特集をお送りしたいと思います。平成23年度のテーマは
【チャンスを分かち、未来を拓こう】
です。
『男女共同参画社会』とは、どんな社会のことをいうのでしょうか?
男女がお互いに人権を尊重し、性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会のことをいいます。
みなさんは、「女だから○○しなさい」「男だから○○でなくっちゃ」と言ったことはありませんか?
私たちは、自分たちが持っているイメージ・意識にとらわれて行動や思考を限定してしまいがちです。しかし、社会に参加する上では、性別によって差別することなく平等でなければなりません。
職場では、様々なステージで、能力を十分に活かせる環境を整備し、個人の価値観やライフスタイルに応じた働き方が選択できます。
地域社会では、性別や世代を超えた交流を通して、地域社会の連帯感やボランティア意識の高揚が図られ、明るく住みよい地域づくりが進められています。
男女共同参画社会というとなんだか難しい言葉ですが、実は、私たちの生活にとても密着しているのですね。
ところで、みなさんは、「ありがとう」ってきちんと言えていますか?
これから男女共同参画社会を推進していくために、誰にでもできる身近な取り組み・・・。それは、まさしく相手を思いやる気持ちを持つことです。「ありがとう」をきちんと言うことは、男女共同参画推進の原点となることです。
普段、ついつい「ありがとう」を忘れているというあなた。少しでも感謝の気持ちがあるときは、恥ずかしがらずに「ありがとう」と声に出して言ってみましょう。その相手ももし身近にいる誰かなら、きっと今より絆が深まるはずです。「ありがとう」は、自分を幸せにし、周りの人も幸せにする魔法の言葉です。
誰もが相手を思いやり、もちろん、親子でも夫婦でも、もっと気軽にもっと自然に「ありがとう」を!!!その後、『にこっ!』と笑顔がついてくれば、もう完璧です。
男女共同参画社会において、職場には活気が溢れ、家庭生活では家族間のパートナーシップが強まり、また地域においてもコミュニティーが強化され、地域力が向上されます。一人ひとりが豊かな人生を送るために、意識を変えて、社会を変えることをこの機会に考えてみてはいかがでしょう・・・。
11/06/23
■ 先人の知恵袋Vol.11 和菓子編
みなさん、6月16日は何の日か、知っていますか?全国和菓子協会が1979年に制定。疫病を除くために、旧暦の6月16日に16個の餅や菓子などを神に供えて食べた『嘉祥』という行事にちなんだものです。今日は和菓子の日にちなんで、先人の知恵の詰まった和菓子の紹介をしましょう。
食が充分でなかった古代人は、お腹が空いた時に野生の木の実や果物を採って食べていました。食べ物を加工する技術が無かった古代では、果物の甘味を大切にし、主食と区別していたと思われます。その後、木の実を天日で乾燥させ保存したり、石臼やこすり石、石鎚などで砕き保存するようになります。クヌギやドングリも食べていましたがアクが強くそのままでは食べられなかったため、砕いた粉を水にさらすことによりアク抜きをし、団子状に丸めて熱を加えるなどしたことが団子の始まりといわれています。
和菓子に砂糖が使われるようになったのは、近世時代に入ってからです。砂糖を知る前の先人たちは、素材そのままの甘味を利用していました。米を発芽させた「米もやし」を使ってデンプンを糖に変える飴や、ツタの汁を煮詰めた一種のシロップ「あまづら」という甘味がありました。先人にとって、甘い物を口にするということは、とても贅沢なことだったようです。
野菜や魚に旬の季節があるように、和菓子にも季節にあったお菓子があります。和菓子は茶道の影響を経て、茶席に季節感を与える重要な役割を持つようになります。
例えば、春は桜餅にうぐいす餅、草餅など。夏は涼を感じさせる透明感のある和菓子、水ようかんや葛餅、わらび餅。秋はおはぎや月見団子、栗最中。冬は大福にぜんざいなどです。小さな和菓子の中に、繊細な味や香りと共に、季節の姿が凝縮され、味覚だけでなく、五感を満足させるような工夫をし、先人たちは楽しんでいました。
また、バターや生クリームをたっぷり使った洋菓子と比べて和菓子はカロリーが低いので体重が気になるけど甘い物が好きという方にぴったりと言えるでしょう。
和菓子に欠かせない『あんこ』はビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富。小豆は美味しいだけでなく、非常に栄養価が高く、素晴らしい機能性を持った食品なのです。
甘い物を食べるのが贅沢な時代、素材の甘味を充分に引き出し、なおかつ日本人の季節を楽しむ繊細な気持ちが詰まった和菓子は、まさに先人の知恵が生み出した日本を代表するお菓子です。
雨の多いこの時期、気分もなんだか落ち込みがちですが、ほろ苦い日本茶の香りを楽しみながら、ゆったりと和菓子でお茶をし、偉大な先人の知恵を味わってみてはいかがでしょう・・・。
《やまびこ通信では、皆さまがご存知の先人の知恵を募集しております。それぞれの家庭に伝わっている先人の知恵、おじいちゃん・おばあちゃんの生活の知恵、なんでも結構です。特に梅雨のこの時期、役立つ知恵をご存知の方、是非教えてください。また、「こんなことで困っています。先人の知恵を貸してください」などの要望でも結構です。椎葉村役場総務課やまびこ通信担当までお知らせください。お待ちしております。》
11/06/20
■ 先人の知恵袋Vol.10 食中毒編
今回は昔から伝わる食中毒予防に関する先人の知恵をご紹介しましょう!
食中毒は、現在に始まったことではありません。日本は、高温多湿の気候。冷蔵庫や扇風機、ましてやエアコンなどない時代・・・。もしかしたら、今より食中毒は多く起こっていたのかもしれません。そして、先人たちはそんな食中毒を避け、家族や自分を守るための様々な知恵を生み出しました。
寿司の文化もそのような食中毒を避けるための先人の知恵から発達したものと考えられます。魚を発酵させる『なれ寿司』お酢を利用する『押し寿司』に『握り寿司』お酢の殺菌効果を利用し、食中毒予防をおこないました。
また、食べ合わせで食中毒を防ぐ方法もあります。
お寿司につきもののガリ。ガリの材料『生姜』は殺菌発汗作用や循環機能の活性化から解毒効果もあるといわれています。お酢との相乗効果で殺菌作用により生魚の毒を消すことができます。お寿司の盛りつけの飾りに使われているクマザサも、抗菌防腐作用があります。
他にも、お弁当のご飯の上にのせてある梅干し。梅干しには殺菌効果があり、ご飯が傷みにくくなります。
そして、前回の知恵袋でもご紹介しましたが、竹の皮に包んだおにぎり。竹の皮には防腐・殺菌作用があり、梅干しと同じように、ご飯を傷みにくくすると同時に、適度な水分も吸収してくれます。
生活する上で、自然と身に付く先人の知恵。医学もあまり発達していない時代、台所を預かっていた女性達は、いろいろな知識を身につけ、家族の健康管理に必死だった事でしょう。今も伝わる先人の知恵を私たちは大切にしなければなりませんね。
11/06/09