先人の知恵袋

 最近、どこ行っても誰にあっても始めに出てくる言葉は「暑いですね〜」ではないですか?そこで今回は、夏の涼に関する先人の知恵をご紹介しましょう。

 風にふわりと揺れて、涼やかな音色を響かせる風鈴。風鈴がひとつ窓辺にあるだけで、夏の情緒をグッと身近に感じます。これは、風鈴の音色が人の気持ちをリラックスさせる癒しの効果音だからです。冷房の無かった時代に、日本のムシムシとした、湿気の多い、暑い夏をやり過ごすため、先人は風鈴の値を聞くことに涼の風情を感じてきました。

 他にも、夏の涼と風情を呼ぶ知恵はあります。例えば扇子。うちわと違って扇子には日本の涼を感じさせる風情と粋な雰囲気があると思いませんか?扇子には大きく分けて雅やかな京扇子と粋でさっぱりとした江戸扇子があります。京扇子は竹骨を30本程度、多いもので100本近く使い、江戸扇子は、15〜18本使うので折り幅が広く、閉じるときにパチッと音がするのが特徴です。この扇子の竹骨に白檀などの香りのする材料を使ったり、また、ミント系の香りを付けるなど、香る風でも涼を感じる工夫をしていました。

 そして、しだれやよしず。窓を開ければ部屋に風を入れることはできますが、すだれやよしずを使うことで、その風を涼風に変えることができます。

 涼しい風を入れるために大切なのは、風は入れるが、熱は入れないということ。これには、カーテンより断然すだれやよしずの方が効果的です。何より見た目も涼しく感じませんか?カーテンは、網戸の面を塞いだり、風に対する抵抗となり換気を妨げてしまいます。

 しかし、よしずやすだれは直射日光を遮り、しかも、風通しも抜群です。

 目隠し効果としても、レースのカーテンに比べてすだれやよしずのほうが中から外はよく見えるのに、外から中はほとんど見えません。ただし、夜、明かりをつけた室内は見えますのでご注意下さい。

 いずれにせよ、昔から使われてきた涼を呼ぶ方法は、見て、聞いて、そして感じて。体全体で涼と風情を楽しむことができる、昔ながらの道具です。

 今年の夏は、先人の知恵をうまく取り入れながら上手に暑さ対策をしてみてはいかがでしょう。

 想像してみてください。夏、よしずを立てかけた縁側で、扇子を優雅に仰ぎながら涼を取る。風に揺れて風鈴の音が聞こえます・・・。なんだかとっても涼しくなりませんか?

 いよいよ、待ちに待った夏休み!!!小中学校の児童・生徒のみなさんは、夏休み何をして過ごしますか?川で水遊び、山で虫採り・・・時代は変わっても、子どもの好きな遊びは変わりませんね。昔から続いている夏休みの朝の定番と言えば・・・『ラジオ体操』このラジオ体操も、知恵の詰まった素晴らしい体操です。今回の『先人の知恵袋』は、そんなラジオ体操についてです。

 昭和3年11月1日朝7時、『旧ラジオ体操第一』は『国民保健体操』という名称で、昭和天皇ご即位の大礼を記念し、東京中央放送から初めて放送されました。昭和3年当時、日本放送協会とラジオ聴取契約をしていたのは、56万人。ラジオ普及率の悪い時代、ラジオを持っていない人は、ラジオのある家庭に聞きに行っていた時代です。

 その後、昭和26年5月6日から第3代目となる『ラジオ体操第一』の放送が開始されました。

 この体操は、子どもからお年寄りまで一般の人が行うことを目的として考えられた体操です。

 また、ラジオ体操第二は、職場向けとして制定され、体を鍛え筋力を強化することにポイントを置き、ややテンポの速いメロディとボディビルダーを連想させる独特のポーズが特徴です。

 ラジオ体操は、たった5分程度のものですがしっかりやれば全身が汗ばむほどの運動になり、肩こりに効く・呼吸機能を促進させる・消化器の働きを良くする・腰痛を予防するなどの効果があります。効果ある正しいラジオ体操のためには、指先までしっかり伸ばす。呼吸をしながら行う。筋肉に意識を集中させる。心臓の遠い部分、体の端からほぐしていき、全身の血行を良くすることをイメージしながら行うことが大切です。

 昭和の初めからずーっと続けられているラジオ体操。これも、先人の知恵の集大成ではないでしょうか?

 本日は、土用の丑の日です。土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の前の1日間のことで、実は年に4回あります。しかし、現代では、夏の土用が一番有名ですね。立秋前の土用は、1年の内で最も暑く、また、雷雨の発生も多い時期です。また、丑の日には、昔から災難に遭いやすいと言われていました。そこで、体力も弱まり、病気になる確率が高い時期に、精の付く物を食べて体力を回復させようというのが先人の知恵だったのです。

 では、なぜ「うなぎ」なのでしょう。江戸時代の幕末、万能学者として有名だった『平賀源内』が「夏場にうなぎが売れないので何とかしたい」とうなぎ屋に相談され、【本日土用丑の日】と書いた張り紙を店の前に貼らせたところ、たちまち「土用の丑の日にうなぎを食べると精が付く」と、江戸庶民の間に浸透し、大繁盛したのがきっかけといわれています。

 うなぎは夏バテ解消にぴったりの食材です。白身魚ですが、タンパク質20%、脂肪分21%、ビタミンB1、B2、Dも多いですが、特にビタミンAが豊富です。夜盲症、皮膚のかさつき、骨や歯の成長に関係が深く、体力増強、強精色として、体力が必要な夏に適した魚だといえます。まさに、先人たちの経験に基づいた生活の知恵ですね。

 最後に以前テレビでも紹介されていた、うなぎをふっくら焼く生活の知恵をご紹介します。

 1つは、うなぎに日本酒を塗って、アルミホイルに包んで焼く・・・。すると、ふっくら美味しく焼けるそうです。

 また、特売などで買ってきたうなぎを皮を下にしてフライパンで焼きます。すぐにうなぎ半分が浸る程度の緑茶を注ぎます。フライパンに蓋をして、緑茶の水分が無くなるまで蒸し焼きにします。水分が蒸発したら、タレをかけて出来上がりです!

 固くなっているうなぎのコラーゲンが緑茶によって分解し、驚くほどふっくら柔らかくなります。是非、今夜の夕食でお試しください。


 夏野菜の美味しい季節となりました。太陽の光を十分に浴び、鮮やかな色の濃い野菜が、食卓をより一層華やかなものにしているのではないのでしょうか?
 
 今回は、せっかく収穫した又は、購入した野菜の上手な保存の仕方についての生活の知恵をご紹介しましょう。
 
 野菜は、生えている時の状態、つまり立てて保存すると長持ちすると言われています。また、お店などで見ると、冷蔵して並んでいる野菜と、常温で並んでいる野菜があるのにお気づきでしょう。野菜はなんでも冷蔵庫に入れるのではなく、まずは、入れるべき野菜と荘でない野菜を分けましょう。

 夏野菜の代表的なもの、最初に、『きゅうり』です。きゅうりは、表面の水気を拭き、ビニール袋に入れてしっかりと口を閉じ、立てた状態で冷蔵庫の野菜室に保存します。

 『トマト』は、まだ青いものは冷蔵庫に入れてしまうと完熟しないので、しばらくは常温で、赤いものは、野菜袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。また、新鮮なものは、丸ごと冷凍が可能です。ヘタを取り、水洗いをした後、表面の水気を拭き取り、きちんとラップをして冷凍庫に入れます。また、ざく切りした後、容器に入れて冷凍しても大丈夫です。半解凍後、ソースやスープの具に使うと便利です。

 そして、『ナス』。ナスは水分の多い野菜なので、ラップではなく、新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。鮮度が落ちるとアクが増え、苦みが出るので、早めに使いましょう。

 焼いて皮をむき、余分な水分を除けば、冷凍保存も可能です。

 『かぼちゃ』は、丸ごとの場合は、風通しが良く日が当たらない涼しい場所で保存しますが、切った後のものは、傷みやすい種と綿を取り除いてラップで包み。冷蔵庫の野菜室で保存します。かぼちゃも冷凍保存可能で、スライスしてそのままか、一度加熱したものを冷凍できます。

 ところで、野菜を立てて保存する時には、空の牛乳パックや、ペットボトルを利用しやすく、容器のリサイクルにもなりますね。

 冷蔵庫に入れる保存の他にも、乾し野菜やお漬物にするのも昔から伝わる野菜の上手な保存方法です。先人は、決してものを粗末にせず、野菜の切れ端も上手に食卓の一品に取り入れていたのですね。

 今日は、五節句のひとつ七夕の節句の日です。七夕と言えば、彦星と織姫が年に1度だけ天の川に橋を架けて会うことを許されたという言い伝えで親しまれています。この言い伝えは、アルタイルと呼ばれる牽牛星と、ベガと呼ばれる織女星が、旧暦7月7日に天の川をはさんで最も光り輝いているように見えることから、1年に1度のめぐり合いの日と考えられ、中国で生まれたお話です。

 七夕の夜、少しでも雨が降れば、天の川の水が溢れだし、二人は会うことができないとするところもあれば、雨は織姫と彦星が流すうれし涙で、雨水によって穢れを祓うことができるとする地方もあるようです。

 皆さまのご家庭では七夕飾りを作りましたか?今はもう大人だから・・・。という方も、小さい頃笹竹に七夕飾りをつけ、願い事を短冊に書いて吊した覚えがある方は多いでしょう。

 笹竹には色々な物を飾りますが、それぞれに先人の込めた意味があります。

 五色の短冊は、中国の陰陽五行説に由来します。吹き流しは、織姫の織り糸に見立てています。巾着は、金運を祈り、千羽鶴は、長寿を祈りました。紙衣は、裁縫の上達を願い、また、災いをその紙で作った人形や衣に移す意味があります。網飾りは、豊年豊作大漁の願い、屑かごは、物を粗末にしないよう、七夕飾りの紙くずを折り紙のかごに入れて飾っていました。

 今日の昼間は雲がかり、星空は期待できそうにありませんでしたが、どうでしょう・・・?星は見えそうですか?

 新暦のこの時期は、梅雨が明けたと言っても雨の日が多いものです。旧暦の7月7日は、新暦では2011年8月6日となります。この頃なら夜空も晴れてきれいでしょうから、旧暦に合わせてもう1度七夕をしてもいいかもしれませんね。

ページのトップへ戻る